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 SOBAプロジェクトは2006年3月15日,複数メンバーが参加するテレビ会議を可能にする無料のP2Pサービス「SOBA CITY」を開始した。Webカメラの映像,音声,アプリケーションの情報を参加メンバーの間で共有できる。サービスを利用するには,SOBA CITYのサイトで会員登録し,クライアント・ソフトをダウンロードしてインストールする。HTTP/HTTPS(SSL)を利用するため,ファイアウォールやプロキシ越しでも利用できる。

 テレビ会議は「セッション」と呼ばれる単位で行う。クライアント・ソフトをインストールしてSOBA CITYのサイトにログインすることで,セッションの一覧を見ることができる。自分でセッションを作成することも可能。セッションに参加したメンバーの間で情報を共有する。

 利用できる機能は主に五つ。まず,テレビ会議の基本機能。クライアント・ソフトの上の部分に参加者の映像(Webカメラの映像)が表示され,マイクによる音声も共有できる。「チャット」は文字によるチャット機能。「お絵かき」は会議の際のホワイトボードに相当する機能で,参加者が自由に絵を書き込んでメンバー間で共有できる。「インターネット」は,WebサイトのURLを共有する機能で,メンバーが同じWebサイトを見ることができる。「画面共有」は,Windowsのアプリケーションをメンバー間で共有する機能。あるメンバーが開いているアプリケーションを共有することで,表示画面を共有できるだけでなく,別のメンバーがそのアプリケーションを遠隔操作することもできる。ただし,お絵かき機能とは異なり,一つのアプリケーションを複数で同時に操作することはできない。

 SOBA CITYは,京都大学を中心とした産官学協同プロジェクト「SOBAプロジェクト」で開発された情報共有フレームワーク「SOBAフレームワーク」を利用している。産官学協同プロジェクトは2005年3月に終了し,その成果を生かすために2005年4月に設立されたのが株式会社としてのSOBAプロジェクトである。同社の緒方敏博社長は,「医療や会計の分野など,法人側の顔が見えることでユーザーが安心するサービスがある。将来は,そうしたサービスの提供者が集まるポータルのモールを作りたい」とSOBAフレームワークを使ったビジネス展開を語る。いわば,楽天が専門家によるサービスを提供するようなイメージだ。「映像を送ることが一般的になれば,ビジネスは劇的に変わるはず」と同氏は期待する。