Winnyを通じた一連の情報流出事件を受けて、ついに内閣官房が動き出した。3月15日、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)が、Winnyを介して広まるウイルス「Antinny」について注意を促した。安倍晋三内閣官房長官も記者会見で「情報漏洩を防ぐ最も確実な対策は、パソコンでWinnyを使わないこと」と国民に呼びかけた。

 NISCは発表資料の中で、Winnyで入手したファイルの中にAntinnyが混入している可能性に言及。こうしたファイルは、人間の心理を利用してだれもが実行したり閲覧したりしたくなるように作られているため、Winnyを使ってファイルを入手する行為そのものが危険だとしている。そのうえで「最も確実な対策はWinnyを使わないこと」と、Winnyの利用自体を警告する。さらに、パソコンを共用している家族がWinnyを使用していないかどうか、確認することも必要だと述べている。

 同資料には情報流出の典型例や、Antinnyの脅威について説明する資料も添付。Antinnyの感染の有無を自己診断する方法や、駆除方法に関するリンク集も示すなど、いたれりつくせりの内容だ。