早稲田大学理工学部 中島研究室と筑波大学大学院 追川研究室,ベンチャ企業のエルミック・ウェスコムは3月13日,マイクロカーネル上の仮想化したLinuxとITRONの開発に着手したことを明らかにした。これにより組み込みシステムのセキュリティと信頼性を強化できるとしている。2007年3月にプロジェクトを修了,開発成果はオープンソース・ソフトウエアとして公開する。

 マイクロカーネル上で仮想化した複数のOSが独立して稼動することで,1つのOSに侵入されても他のOSにアクセスできないため,セキュリティが向上するという。また,1つのOSに不具合が発生しても他のOSに影響が及びにくいため,信頼性が向上するとしている。動作環境としてはARMコアのマルチコアCPUをターゲットとする。

 OSの仮想化によりリアルタイム性が低下する恐れがあるが,この点については「事前実験によりマイクロカーネル上のITRONが十分なリアルタイム性を保証できることが実証されている」としている。マイクロカーネル上においてもこれまでと同等のリアルタイム性を実現することを目標に置く。