写真1 巨大な面積を占める独メトロ・グループのブース
写真1 巨大な面積を占める独メトロ・グループのブース
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写真2 ディスプレイ装置とRFIDリーダーを搭載したショッピング・カート
写真2 ディスプレイ装置とRFIDリーダーを搭載したショッピング・カート
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 ドイツの小売業最大手のメトロ・グループは,ドイツ・ハノーバー市で開催中の「CeBIT 2006」で無線ICタグ(RFID)をふんだんに使った,同社の次世代スーパー・マーケット「Future Store」での取り組みを公開している。

 Future Storeの展示スペースは,第6ホールの3分の1近くを占める極めて巨大なものだ(写真1)。メトロ・グループ自身の展示のほか,Future Storeに協力する多くの企業が共同で出展している。

 Future Storeとは,メトロがドイツ郊外でRFIDを試験的に運用している実在店舗のこと。全商品にRFIDを付け,商品の入出庫および在庫状況の管理のほか,ユーザーの購入履歴の管理など包括的なSCM(サプライチェーン・マネジメント)の仕組みを作り上げる。

 RFIDの導入で恩恵を受けられるのはメトロだけではない。店舗内でユーザーは,商品に関する多くの情報を得ることができるからだ。例えば,ショッピング・カートにはディスプレイ装置とRFIDリーダーが備え付けられており,カートに入れた商品の製造元や金額などが表示される。買い物をしながら合計金額も把握できる(写真2)。

 店舗内での仕組みについては,いずれもFuture Storeの実店舗で試験運用しているもの。メトロは今回,さらに踏み込んで,ユーザー宅でのRFIDの活用事例も紹介している。例えば冷蔵庫に据え付けられたディスプレイでは,冷蔵庫内の商品の賞味期限やレシピなどを表示。洗濯機の場合は繊維の種類などを表示し,お勧めの洗濯方法を提示するという。