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 イオンは3月10日、新銀行「イオン銀行」(仮称)を設立することを正式発表した。2007年春の開業を目指す。新銀行のシステム投資額について、岡田元也社長は「およそ120億円」との見通しを示した。

 イオンにおけるシステム要員をどこから確保するのかという質問に、岡田社長は「イオンの既存システムとは異なるノウハウが必要。要員はこれから手配していきたい。ただ、現時点では詳細について話せる段階ではない」と述べた。

 勘定系システムについて、岡田社長は「開発プロジェクトはすでに始まっている。そうでないと(来春の開業に)間に合わない」と説明した。ただ、導入するシステムや担当ベンダーの選定が済んでいるのかといった点は、明言を避けた。

 イオンが設立を目指すのは、「個人向けのフルバンキング」(岡田社長)。グループ企業が展開するスーパーなどの店舗を訪れる顧客に、普通預金や定期預金、カードローン、住宅ローン、保険、証券などの提供、公共料金の支払いといったサービスを手がける。一部報道にあった法人向け融資事業は「今のところ考えていない」(岡田社長)と否定した。

 来店客の多いショッピング・センターに有人店舗を開設し、対面営業を中心にする。最大のターゲットは主婦層。全国に約1500店ある総合スーパーマーケット(GMS)やスーパーマーケット(SM)の顧客基盤と小売業のマーケティング力を生かした事業展開を目指す。

 開業5年目の目標は、口座数が300万口座以上、ATM台数は2000台以上。有人店舗は60店以上で、預金残高は6500億円以上を目指す。