NTTコミュニケーションズ(NTTコム)とNTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)は3月10日,NTTコムが保有する無線LAN基地局の一部をNTTBPへ譲渡することで合意したと発表した。NTTコムの公衆無線LANサービス「ホットスポット」は継続提供する。無線LANインフラの保有と運用のみがNTTBPに移管される格好だ。

 これに伴い,NTTコムはNTTBPに資本参加する。具体的には,NTTBPの株主であるNTT東日本,NTT西日本,NTTドコモと株式譲渡契約を結び,株式総数の22%を取得する。

 NTTグループは,2005年7月にグループ会社で別々に提供していた公衆無線LANサービスのインフラを統合すると発表している(関連記事)。公衆無線LANサービスを提供する各グループ会社の無線LAN基地局を共有し,NTTBPが保有・運用するというものだ。各社がバラバラに設備投資していたのを共有化し,効率的にエリアを拡大することを狙いとしていた。

 設備共有にはNTT東日本,NTT西日本,NTTドコモが参画済みだったが,NTTコムは準備不足を理由に参画していなかった。今回,「設備の準備や資本参加の社内手続きなどがクリアになった」(NTTBP)ため,公衆無線LAN設備の共有に至った。

 NTTコムのホットスポットで利用可能な無線LAN基地局は,NTTBPが保有しているものを含めて約3000カ所。一方,NTTBPは現時点で約2000カ所の基地局を保有している。この数字は,東西NTTやドコモからの設備移管が途上のもの。ただし統合後の基地局総数については,「基地局を設置した店舗などとの交渉がこれからなので,コメントできない」(NTTBP)としている。