NTT東日本、東北ミサワホームは3月10日、地震が発生した際、その周辺地域に対して揺れが到達する前に警告する「緊急地震速報」の実験を実施すると発表した。緊急地震速報の活用を推進するリアルタイム地震情報利用協議会(REIC)とともに取り組む。

 東北ミサワが仙台市内で分譲する戸建住宅に緊急地震速報を配信する。NTT東日本のブロードバンド・サービスを利用し、IPv6と呼ばれる通信手順でそれぞれの住宅に一斉同報する。端末はNTT東のIP電話用のテレビ電話端末を利用。地震発生時には、予測震度と地震の到達時間がテレビ画面に表示され、音声でも通知する。例えば、「20秒後に震度5弱の地震が来ます」といった警告アナウンスが流れる。

 実験期間は3月10日から1年間。緊急地震速報が配信された際の住民の行動や、感想などを調査する。

 緊急地震速報とは全国各地に置いた気象庁の専用地震計を利用して、地震が発生したことを通信ネットワークで先回りして警告するシステムのこと。気象庁が2004年2月からREICなどの団体を通し、緊急地震速報を配信する実験を実施している。気象庁は2006年中に実用化の判断を下す見通しで、既に国土交通省や宮城沖電気、清水建設や中部電力などが実験システムを導入している。

 地震の波は先に到達するP波(初期微動)の速度が毎秒7k~8kmで,主に大きな被害をもたらすS波(主要動)の速度が毎秒3k~4km。このため地震の震源からある程度の距離があるエリアでは、実際に揺れる前に地震の発生を知ることができる。