ログ収集・分析ソフトベンダーのウイング(新潟県新潟市、樋山証一代表取締役)は今年夏までに、同社のログ収集・分析ソフト「ALL Watcher」にSOX法対策機能を追加することを明らかにした。SOX法対策では、財務諸表を作成する上で重要な業務や不正のリスクが高い業務を見つけ出し、重点的に統制する必要がある。新版では、重要もしくはリスクが大きい業務がかかわるシステムの操作画面をキャプチャする機能を加える。

 ウイングが想定しているのは財務会計システムでの適用である。財務会計システムの操作すべてを記録する仕組みでは、不要なデータが膨大になり監査の手間を増やしてしまうだけだ。そのため財務会計システムの機能の中でも、重要もしくはリスクが大きいと設定したプログラムやメニューが起動した場合にだけ、操作ログの収集に加えて、操作中の画面を数秒ごとにキャプチャし続ける。

 この機能を使うためには、まず財務会計業務のプロセスを策定し、その中から重要な業務や不正のリスクが高い業務を見つけ出す必要がある。そのため、「SOX法対策を支援する海外製ソフトと連携させる話も進んでいる」(樋山代表取締役)。海外にはプロセスの策定やリスクの発見を支援するSOX法対策用のソフトもある。

 今後もSOX法対策機能を追加する予定はあるが、「具体的な機能については日本版SOX法の内容が固まると言われている5月以降に決める」という。現行のALL Watcherは、ログイン、アプリケーション起動、ファイルアクセス・操作、印刷、インターネットアクセスなどの履歴や送受信された電子メールの内容を記録するといった機能を備える。現バージョンでも画面キャプチャ機能は備えているが、アプリケーションやその中の機能ごとにキャプチャする機能はない。

 価格はパソコン1台当たり9800円、一元管理する場合は1サーバー当たり48万円となっている。また同社は4月1日からASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)方式で、ALL Watcherを提供する予定だ。ASPサービスの料金は、パソコン1台当たり月額1050円からになる。ASPサービスの場合は、操作画面をキャプチャするといったデータ量が大きい機能にがオプション機能となる。