マイクロソフトは3月9日,2月15日公開の修正パッチを適用したWindows Media Player 10において,問題が発生する場合があることを明らかにした。巻き戻しなどをおこなうと,再生中と表示されているにもかかわらず,コンテンツの再生が中断される場合などがあるという。問題を回避するには,Windows Mediaサービスを実行しているサーバー側での対応が必要。

 対象となるのは,最大深刻度が「緊急」に設定されている「Windows Media Player の脆弱性により,リモートでコードが実行される (911565) (MS06-005)」の修正パッチ。同パッチを適用したMedia Player 10では,操作上の問題がいくつか発生する場合があることが確認された。

 具体的には,巻き戻しや早送り,シーク(「位置」スライダの操作)をおこなうと,(1)スライダのつまみがメディア・ファイルの先頭に戻されたり,(2)再生中と表示されているにもかかわらず,コンテンツの再生が中断されたりする場合があるという。

 同様の問題は,「Windows Media ビデオ コンテンツのDXVAをWindows Media Player 10で有効にするための更新プログラム」「Windows XP Media Center Edition 2005用の更新プログラムのロールアップ 2」を適用している環境でも,発生する場合がある。

 この問題が起きないようにするには,Windows Media サービス 9 シリーズを実行しているサーバー上で,以下のいずれかを実施する必要がある。

・サーバーのOSがWindows Server 2003 SP1の場合には「アドバンスト ファスト スタート機能」を無効にする
・サーバー側の再生リストで clipBegin 要素を使用しない

 今回の確認された問題はそれほど深刻ではない。最大深刻度が「緊急」であるパッチを適用しないことのほうが問題なので,同パッチは必ず適用しておきたい。

◎参考資料
Windows Media Player 10に特定の更新プログラムを適用した後にシーク,巻き戻し,または早送りを行うと,問題が発生することがある
Windows Media Player の脆弱性により,リモートでコードが実行される (911565) (MS06-005)