プログラムのランチャ。このデザインが「おりがみ」なのか?
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仮想キーボード。画面の上にオーバラップして表示する
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 2006年3月2日からティザー広告で関心を集めていた「Origamiプロジェクト」の内容が明らかになった。同プロジェクトのサイトによると、米マイクロソフト、米インテル、韓国サムスンの3社が、ドイツで開催中のCeBITの会場で発表した「Ultra Mobile PC(UMPC)」である。インテルは米サンフランシスコで開催中の「Intel Developer Forum」でもUMPCを見せた。内容的には、マイクロソフトが2002年に発表した「Tablet PC」の再挑戦といった感触が強い。

 これまでTablet PCは成功していなかった。既存のノート・パソコンにタッチ・スクリーンを追加したものが多く、重量が増えて価格も高くなる。ユーザーからすると、あえてTablet PCを選ぶ理由が見あたらなかった。例えば500グラム程度の重量で、長時間バッテリ駆動ができるものならば、軽量化や携帯性を高めるためにキーボードがなく、ペン入力を使うというのもわかる。しかしそのような新しい用途を提案する機種はなかった。またOS側の対応も、あまり「タブレットならでは」を感じさせるものはなかった。

 今回のUMPCは、もっと軽量でモバイル用途を意識した内容となっている。外見から判断できる仕様としては、 このサイトの写真を見る限り、まずキーボードはない。大きさは両手で持つ形で、おおむねソニーのPlaystation Portable程度の大きさ。7インチ以下のディスプレイを備える。重量は約2ポンド(907グラム)という。

 OSはWindows XP Tablet PC Edition 2005と現行品だが、新しい操作環境を追加する「Touch Pack」を。これを使うと今までのマウスを前提とした操作環境とは違うプログラムの起動方法や、画面に組み込まれた仮想キーボードなどが利用できる(画面)。

 問題は価格。Windows XPを快適に動かすだけのハードウエア資源が必要となれば、それなりにコストはかかるはずだ。最低でも1000ドル程度の価格になるのではないか。PDAとして見るとやや高価になりそうだ。また駆動時間が2時間程度だと、モバイル用途としてはかなり制約されることになる。このあたりの問題をクリアしなければ、UMPCが新たな市場を開拓する可能性は低いだろう。

■変更履歴
3つ目の段落中の「外見から判断できる仕様としては、まずキーボードはない」に、http://www.microsoft.com/windowsxp/umpc/hardware.mspx のサイトの写真を見る限り、という旨のただし書きを加えました。[2006/03/10 12:20]