米Citrix Systemsの販売代理店の1社であるネットワールドとソフト開発会社のアイベクスは2006年3月8日,企業のクライアント・パソコンを画面情報端末(シン・クライアント)専用機に変えるためのソフトウエア・パッケージの問題解決例「マネージド・クライアント」の販売促進で提携した。両社の製品を組み合わせて顧客に販売・出荷する。出荷は3月24日で,価格は「Citrix Presentation Server」が5ユーザーで24万7000円(税別)から,「Qeng Ho VSR MS」が1ユーザー2万円前後。

 Citrix Presentation Serverは,シン・クライアント・システム向けのサーバー・ソフト。Windows OSとWindowsアプリケーションをデータセンター側で動作させ,エンドユーザーの端末上でWindowsの画面操作だけを実行する。画面情報をやり取りするためのクライアント・ソフトは,専用端末や汎用のWindowsパソコン,Java用などマルチプラットフォームで動作する。問題点は,汎用パソコンを画面情報端末として使う場合に,画面情報端末以外の使い方,つまり通常のパソコンとしてもアプリケーションを動作させられる点がセキュリティ上好ましくなかった。

 一方のQeng Ho VSR MSは,ネットワーク・ブート機能を備えたクライアント・パソコンに対してOSを配信して起動するためのサーバー側ソフトである。ユーザーがパソコンの電源を投入するとLinuxベースの独自OSを配信し,画面情報端末ソフトを起動する。クライアント・パソコン上にインストール済みのWindowsを起動しないため,汎用のクライアント・パソコンをシン・クライアント専用機として運用できる仕組み。Qeng Ho VSR MSはまた,接続時のユーザー認証機能とユーザー操作の記録機能など,セキュリティを高めるための運用管理機能も持つ。

 今回,両社が販売面で提携したマネージド・クライアントは,ネットワールドが販売するシン・クライアント・システム用ソフト「Citrix Presentation Server」と,アイベクスが開発したクライアント管理ソフト「Qeng Ho VSR MS」を組み合わせたもの。ネットワールドはCitrix Presentation Serverに加えて新たにQeng Ho VSR MSを販売し,アイベクスはCitrix Presentation Serverを販売する。アイベクスは2006年1月,マネージド・クライアントの環境を体験できるショー・ルームを秋葉原の東京支店内に開設済み。