防衛庁は、同庁および陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の職員が職場で利用している私物パソコンの一掃に乗り出す。海上自衛隊で2月22日に確認されたファイル交換ソフト「Winny」による情報流出を受けたもの。2006年度中の実施を目標としている。

 防衛庁は、職務で必要とされるパソコンを公費で支給し、自宅など外部からノート・パソコンを持ち込むことを全面的に禁止する方針だ。職員が私物パソコンに業務情報を蓄積し、その情報がWinnyやウイルスで流出してしまうことを防ぐのが目的である。

 現在、防衛庁、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊には約25万人の職員が在籍している。各職員は、1台のパソコンを数人で共用しているケースが多い。パソコンを利用する必要のある職員が、職場に私物のパソコンを持ち込んで職務で利用しているのは、このためである。その数は7万台に達する。

 同庁は費用について明らかにしていないが、仮に7万台を1台10万円のパソコンで置き換えるとなると約70億円が必要になる。「現在、支給するパソコンの台数と予算をつめている段階」(防衛庁広報)という。

 現在のところ、情報流出のあった海上自衛隊では、私物パソコンの持ち込みを全面的に禁止している。他の組織では、所属する部隊長などの許可を得て持ち込むことができる。