ハイビジョン映像を再生する様子。サーバーから送られた13M~20Mbpsの映像を左下のパソコンで受信し、大型ディスプレイに映し出した
ハイビジョン映像を再生する様子。サーバーから送られた13M~20Mbpsの映像を左下のパソコンで受信し、大型ディスプレイに映し出した
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デモで利用した無線LAN装置。最大300Mbpsでの送受信に対応する
デモで利用した無線LAN装置。最大300Mbpsでの送受信に対応する
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 イスラエルの無線チップメーカーであるメタリンクは3月8日、次世代の無線LAN規格IEEE802.11nに対応したチップ「WLANPlus」の製品デモを都内で報道関係者向けに公開した。11nが実際に稼働した様子を国内で公開するのは、同社が初めて。

 11nは、理論上のデータ転送速度が300M~600Mbpsの無線LAN技術。11a/b/gの後継として位置づけられている。デモではWLANPlusを搭載した試作機を取り付けたサーバーを1台、パソコンを3台用意し、サーバーとパソコンの間を300Mbpsの無線回線でつないだ。この状態で、異なる3種類のハイビジョン映像(ビットレートはそれぞれ13M~20Mbps)をサーバーから送信。数メートル離れた場所に置いた3台のパソコンで、別々の映像を受信して再生した。3本で合計約50Mbpsの映像がコマ落ちなく再生される様子を披露。帯域を使い切れば、「最大80M~160Mbpsの実効速度でデータを送受信できる」(ボリンスキー副社長)という。

 同社は現在のチップを第一世代と位置づけ、家電メーカーに売り込みをかける。ビデオサーバーといった家電製品への11n対応を各社に促したうえで、2006年末までに他メーカーとの相互接続が可能な第二世代チップを量産したい考え。