[画像のクリックで拡大表示]

 「現状のWebアプリケーションの表現力や操作性は、限界に近づいている。Ajaxによって、今後は企業情報システムでも、クリックから結果表示まで利用者を待たせるWebアプリケーションは、過去のものになるだろう」。Webグループウエア大手ネオジャパンの齋藤晶議 社長は、Ajaxの可能性をこう語った。

 ネオジャパンは3月6日、Ajaxを使ったWebアプリケーション向けのGUI部品群「Bindows」の、日本国内における独占販売権を取得したことを発表。同社は今後、システム・インテグレータやソフトハウスを通じて、企業情報システムにBindowsで開発したAjaxアプリケーションを普及させる考えだ。

 BindowsはWebブラウザ上で動作するGUI部品群と、それらを組み合わせてAjaxアプリケーションを開発するためのテンプレート集。表やグラフ、エクスプローラ風のファイル・マネージャ、プルダウン・メニュー、カレンダーといったGUI部品を備える。いずれもWebブラウザでありながら、あたかもデスクトップ・アプリケーションのように、クリックすると即座にメニュー項目やデータを表示する。

 齋藤社長は、「今やWebアプリケーションは企業情報システムで当たり前のように使われているが、利用者のすそ野が拡大するに伴い、初心者でも簡単に使えるGUIを求める声が、非常に多くなっている」と話す。「Bindowsを使えば、軽快なレスポンスと高い操作性を併せ持ったWebアプリケーションを容易に開発できる」(同)。

 ネオジャパンでは同社のグループウエア製品「desknet's」にBindowsを組み込み、Ajax技術を取り入れたバージョンを今夏にも出荷する。利用者がメニューをクリックしたりメールの件名を選択したりすると、Webページを読み込むことなく即座にデータを表示できるようになるという。

 まずdesknet'sのWebメールのAjax版モジュールを、夏までに発売する(写真)。続いてスケジュール管理や設備予約、文書管理といったもののAjax版モジュールを、順次追加していく。Bindows版desknet'sを基に開発した営業支援ソフトやCRMソフト、社内ブログ作成ソフトなども製品化する予定だ。

 Bindowsの価格は、開発者向けライセンスが1人当たり初年度で9万4500円、2年目以降は3万7800円。ランタイム・ライセンスが利用者100人未満で10万5000円など。販売目標は、Ajax版desknet'sを既存ユーザー企業向けに3000社、Bindowsは1000ライセンス。