Web2.0的と言えるものは広範にわたるが、中でもAjaxに注目している。Ajaxによって、Webアプリケーションのユーザー・インタフェースを従来のものと大きく変えられるからだ。デスクトップ・アプリケーションと同等の、使い勝手の良いグラフィカル・ユーザー・インタフェースを、Webの標準技術だけで実現できるようになる。当社が提供しているブログサービスなどにAjaxを利用していくつもりだ。

 Ajaxによって、デスクトップ・アプリケーションがWebブラウザ上で次々に実現できるようになっていく。マイクロソフトのOfficeをWebブラウザ上で動かせたらどうなるか。複数のメンバーがPowerPointのファイルをWeb上で共有し、互いに適宜編集していく。こうした編集方法が当たり前になるかもしれない。同じことをしようとすると、現状では、ファイルをいちいちメールで送って編集してもらう必要がある。

 マイクロソフトやSAP、セールスフォース・ドットコムといった、企業情報システムのプレーヤが、Ajaxを使ったオンデマンド型サービスに続々と参入している。これらのサービスは、Webアプリケーションの使い勝手に対する世の中の認識を変えるだけでなく、ソフトウエアのあり方自体を大きく変える可能性を持っていると思う。

聞き手:玉置 亮太=日経コンピュータ