ベンチャー企業のアイ・ダム・ネットワークが,「情報は漏れるもの」という前提に立った新発想の情報漏えいシステムを開発したことが明らかになった。システムの名は「i-Dam Secure System」(i-DSS)。2006年4月ころからイーディコントライブが販売を始める。価格は個別見積もり。
i-DSSは,データベースの不正アクセスやファイルの持ち出し,スクリーン・ショットの流出,ディジタル・カメラによる画面の盗撮などさまざまなレベルの情報漏えいに対処するシステム。1文字ごとにデータ暗号化を施すとともに,選択部分以外は復号しないことで,これらの問題に対処する。
i-DSSのシステムは,データを暗号化したまま格納したデータベースと「Internet Explorer(IE)」のアドオン・プログラムから成る。住所や電話番号などデータベースから取り出したデータをWebページとして配信する場合,それらのデータは暗号化したままパソコンに送られる。パソコンの側では,IEのアドオンによってこれを解釈し表示する。i-DSSに対応していない端末からは,文字化けして内容が分からないわけだ。
このシステムの特徴は,文字データを独自の文字コード体系を使って表示する点。ある文字に対応する文字コードは登場するたびに変化する。専用のプログラムとフォント・データがない端末では情報が表示できない。「一つの文字に対しては4バイトのコードを付加してある。これをあるアルゴリズムに沿って2バイトに切り出して利用するため解読は難しい」(アイ・ダム・ネットワークの寺岡伸明代表取締役CEO)という。
IEのほか,「Excel」用の暗号化システムも現在開発中,2006年中に提供したいとしている。