米レノボグループの日本法人であるレノボ・ジャパンは、「レノボ(Lenovo)」というブランド名を冠したデスクトップパソコンとノートパソコンを日本市場で3月14日に発売する。当面は中小企業を主な対象ユーザーとして事業を展開。ラインアップを最小限に絞ることで比較的高性能な製品を競合他社より低価格で提供することを目指す方針だ(発表資料)。

 中小企業に的を絞った事業展開をする背景として、同社代表取締役社長の向井宏之氏は「日本市場では、従業員100人未満の企業でパソコンの導入が進んでおり、台数ベースの成長率がプラスで推移している。この分野は競合他社も取り切れていない市場で将来性がある」などと語った。

 今回投入する製品はデスクトップの「Lenovo 3000 J100 Small Desktop」が4モデル、ノートの「Lenovo 3000 C100 Notebook」が3モデル。価格はデスクトップが5万7540円から、ノートが8万4000円から。販路はWebサイトでの直販と同社の販売代理店を経由した間接販売に絞り、家電量販店などでの小売は当面展開しない。

 ユーザーがCPUやメモリー容量などを選択する、いわゆる受注生産方式(BTO)も採用しない。製品のモデル数を絞り込むことで製造コストの削減と在庫管理の負荷軽減を図る。また、完成品の流通在庫を日本国内に持つことで「原則として翌日納品が可能な体制とする」(同社執行役員マーケティング担当の石田聡子氏)。

 米レノボグループは従来、買収した米IBMのパソコン製品のブランドである「ThinkPad」「ThinkCentre」をそのまま引き継いで事業展開していたが、2月23日以降、北米や欧州を始めとする世界各地で「Lenovo」ブランドの使用を始めた(関連記事)。今回の日本法人の新製品もこれに呼応したもの。同社は今後、大企業向けのパソコン製品のブランドとしてThinkPadとThinkCentreを使用し、Lenovoブランドとの棲み分けを図る。