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【事例フラッシュ】茅ヶ崎市の新国保システム,本稼働後7カ月間に5回のシステム障害(前編)茅ヶ崎市は2005年10月〜2006年2月,「国民健康保険オンラインシステム」で5回のシステム障害に見舞われた。目下,信頼回復に懸命だ。障害は,2005年8月にNECのパッケージ・ソフトをベースに1億3000万円で構築した新システムに移行して以来,繰り返されている。あまりの障害の多さに,市議会で開発/運用ベンダーの指名停止が取りざたされるなど,異例の事態に発展した。 [障害1]最初は運用上の手順ミス 最初の障害は,2005年8月11日に発生した。保険料決定通知書の賦課(金額)を誤り,茅ヶ崎市4万4848世帯中の1705世帯に過大な賦課を通知した。原因は,市の情報推進課に常駐するNEC関連会社(YECソリューションズ)の運用オペレータの手順ミスだった。保険料は前年の所得に基づいて8月1日に本算定し,8月10日に通知書として発送している。本算定する際には,固定資産税などの情報を税務システムから国民健康保険オンラインシステムに取り込むが,この作業中にデータのクリアミスがあった。 固定資産税の内訳は,持ち家のように所有者が一人である「単有」と,マンションのように敷地などを複数人で所有する「共有」の二つある。旧システムは,単有と共有の合算値を取り扱う仕様だったために,データのクリアは1度で済んだ。新システムでは単有と共有のデータを別々に取り扱う仕様に変わり,データのクリアをそれぞれに対して実行する必要があった。だが,単有データはクリアしたが,共有データをクリアしなかったために,前回計算時のデータに加算する形となってしまった。 作業手順書はあったようだが,旧システムの操作に慣れたオペレータが1度しかクリア作業を実行しなかったか,単有と共有のそれぞれをクリアする必要性が明確に記されていなかった可能性が高い。オペレーション内容を市職員が立ち会ってダブル・チェックするといった運用ルールも無かった。 [障害2]復旧プログラムのバグを見逃す 2回目の障害は,9月12日に発生した。[障害1]で賦課誤りとなった市民のうち,口座振替を希望した32世帯に,本来は送付すべきでない納付書を送付した。この障害は,[障害1]の影響範囲を特定して復旧するために,NECが緊急開発した復旧プログラムのバグによって発生した。 復旧プログラムは,賦課誤りした市民の関連情報を書き戻す処理を含んでいた。この処理の際に,2005年1月〜3月に口座振替への切り替えを申請した対象者について,口座振替の開始希望日を2006年からと誤って書き換えた。これにより,本来は口座振替に切り替えるべきなのに,口座振替の開始希望日に至っていないと誤認し,納付書を送付してしまった。 緊急対応の復旧プログラムだったために,茅ヶ崎市やNEC内部でのレビューは不十分だった。その上,年度途中を想定したテスト・データが不十分で,事前にバグを見つけられなかった。 障害は,これだけでは終わらなかった。茅ヶ崎市の「国民健康保険オンラインシステム」はさらに3回の障害に遭遇する(以下「中編」に続く)。
(実森 仁志=日経SYSTEMS)
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