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 NEC、NECデザイン、日本SGIの3社は3月3日、人間の感情を解析し、その結果に応じた色の光を放つ花形の端末「言花(KOTOHANA)」を共同開発したと発表した。3月9日から独ハノーバーで開催される展示会「CeBIT」に出展する。

 言花(KOTOHANA)は、LEDを組み込んだ花形の小型端末。周囲にいる人が発した言葉(発話)をマイクで収集し、それを基に話し手の感情を推測する。感情を推測する部分には、日本SGIと事業提携するエイ・ジー・アイの「ST(Sensibility Technology)」という技術を利用(関連記事)。開発段階の現在は言花が接続されたパソコンで解析を行う。発話の内容ではなく、発話のリズムを使って感情を推定するのが特徴だ。推定できる感情は「喜び」「哀しみ」「平常」「興奮」の4種類。喜びは黄色、哀しみは青、平常は緑、興奮は赤の色に対応づけられており、検知した感情に応じて花の色が変化する。感情が変化するとその様子を色のグラデーションで表現したり、感情の強さを光の強弱で示すこともできる。

 今回発表した言花(KOTOHANA)はコンセプトモデルとしての扱いで、このままの形での製品化は予定していない。だが「機械が人間の感情を察知し、それを表現する手段の一つとして有望」(NEC)と考えており、今後さまざまな応用の可能性を探っていくという。例えば携帯電話に組み込んで、遠隔地にいる人同士が互いの感情を理解する、といった用途が考えられる。ロボットなど、人間との機械の自然なコミュニケーションが要求される分野に適用できる可能性もありそうだ。