「オープンソースという言葉はロマンスを感じさせ、神秘的な響きがある。開発者のコミュニティがソフトを進化させていると思われているかもしれないが、例えば実際にLinuxを開発しているのは、IBMであり、インテルであり、オラクルだ。現実に、Linuxを使って困っているユーザーが、(Linuxのディストリビュータである)レッドハットではなく当社に問い合わせてくることもある」。

 このコメントは、米オラクルのラリー・エリソンCEO(最高経営責任者)が、3月2日に開かれた記者会見で、オープンソース・ソフトが、商用ソフトやオラクルに与える影響についての質問に答えるなかで飛び出したもの。

 また同氏は、オープンソースで成功したソフトの共通点として、「大手企業が積極的に投資していることだ」と指摘した。さらに、ミドルウエアの分野でオープンソース・ソフトが伸長しているのではないかとの問いに対しては、「ミドルウエアの範囲は広い。比較的シンプルな分野では、Apacheのように大成功しているオープンソースのソフトがあるが、ビジネス・インテリジェンスのような複雑な分野ではまだ成功はしていない」と話した。

 ただし最後にエリソン氏は、「オープンソース・ソフトの可能性を信じている。今後もオラクルは積極的にかかわっていきたい」とまとめ、同社がオープンソース・ソフトに一定の評価を与えていることを明らかにした。

 なおエリソン氏は、「Oracle OpenWorld Tokyo 2006」(場所:東京国際フォーラム、3月1~3日)の開催に伴って来日している。