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 米オラクルは3月2日、東京で開催中のイベント「Oracle Open World」の中で、企業内のドキュメントや電子メール、スケジュールなどを検索できるソフト製品「Oracle Secure Enterprise Search 10g(SES)」を発表した。同社のラリー・エリソンCEO(最高経営責任者)自ら、説明とデモンストレーションを実施した(写真上)。

 この製品は、一般にエンタープライズ・サーチ・エンジンと呼ばれており、米グーグルの製品が有名だ。だがエリソンCEOは、「グーグルの製品はセキュリティの要素が欠けている」と指摘する。企業内で使うエンタープライズ・サーチ・エンジンの場合は、権限や役職、もしくはユーザーごとに検索できる情報を制限できるようにすべきというのだ。

 通常のエンタープライズ・サーチ・エンジンは、誰が調べても同じ結果が出てくる。インターネット上にあるような公の情報であれば問題ない。ところが「企業内の情報には、公にしてはならない情報や他人に見られたくない情報がある。誰が検索するかによって、検索結果を変える機能が重要だ」(エリソンCEO)という。

 同社はSESのベータ版を米オラクルのWebサイトでダウンロード提供している。エリソンCEOは、「インストールや設定には数日しかかからない。テストを含めても1、2週間もあればSESを使えるようになるので、試してほしい」と語る。

 多言語に対応しているため、日本語のドキュメントやメールなども検索・表示可能だ(写真下)。SESはすでに、東京大学が構築中の学内ポータルサイトでプロトタイプとして利用されているという。有償版の価格は未定で、提供開始時期は「5月末までに」としている。