NTTPCコミュニケーションズ(以下,NTTPC)は2月28日,同社のインターネット接続サービス「InfoSphere」などの迷惑メール(スパム)対策を強化すること発表した。指定されたメール・サーバーを経由せずに送信されるメールを遮断する「Outbound Port25 Blocking(OP25B)」を6月から実施する。携帯電話ユーザーへのメールを対象としたOP25Bは2005年10月から実施しているが,6月からはすべてのメールをOP25Bの対象とする。

 OP25Bを実施するのは,同社が提供するInfoSphereと,NTTPCがネットワーク設備を提供している提携先プロバイダのプライベートブランドサービス。NTT東日本および西日本が提供する「フレッツ」アクセスサービスで接続し,動的にIPアドレスを割り当てられているユーザーから送信されるメールが対象となる。OP25Bにより,ユーザーが独自に運用するメール・サーバーやボットネットなどから直接送信される迷惑メールを遮断する。

 同社では,携帯電話(NTTドコモ,au,ツーカーグループ,ボーダフォン)あてのメールについては同様の対策を既に実施している(関連記事)。これにより,「2005年8月時点では,ユーザーからの迷惑メールに関する問い合わせや報告は月間8万件だったが,(OP25Bを実施した)10月以降は月間2万件弱に減少した」(NTTPC)。

 とはいえ,PCあての迷惑メールも多い。そこで今回,動的IPアドレスからのすべてのメールをOP25Bの対象にすることにした。既にいくつかのプロバイダがすべてのメールを対象としたOP25Bを実施しているが,「他の事業者にネットワーク設備を提供しているプロバイダが(すべてのメールを対象としたOP25Bを)実施するのは初めてだろう」(NTTPC)という。

 併せてNTTPCでは,3月1日からInfoSphereおよびプライベートブランドサービスにおいて「Message Submission(Port587)」に対応することを明らかにした。これは,OP25Bを実施している他のプロバイダのネットワークから,InfoSphereおよびプライベートブランドサービスのメール・サーバーを利用できるようにする仕組み。

 NTTPCのホスティングサービスであるWebARENA SuiteやWebARENA Suite2では,Message Submission(Submissionポート)に2005年3月1日から対応している。2005年9月時点では,InfoSphereでも2005年11月から対応すると発表していたが,3月1日からの対応となった。

◎参考資料
NTTPC迷惑メール発信規制を開始 Outbound Port25 Blocking(OP25B)を,2006年6月1日から導入(プレスリリース)