米Microsoftは3月2日(米国時間)に,「Origami」(開発コード名,従来の開発コード名は「Haiku」)と呼ばれる新しいミニ・タブレットPC製品ファミリを公開するもようだ(OrigamiプロジェクトのWebサイト)。Origamiは全く新しいデバイスであり,PDA程度の大きさだが,Windows CE/PocketPCではなく,デスクトップ用のWindowsを搭載する。ただしこのWindows OSが,Windows XP Tablet PC Editionになるのか,Windows Vistaの何らかのバージョンになるのかは分からない。筆者は,Vistaになるのではないかと考えている。

 2006年2月末現在,Origamiについて分かっていることは非常に少ない。2005年に開催された「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)」でMicrosoftは,Haiku(Origamiの旧開発コード名)について,2007年に登場する予定であるWindows Vistaベースの「ウルトラ・ポータブル・ラップトップ・コンバーチブル」と説明していた。WinHECでHaikuを展示したMicrosoftの目的は,Windows Tablet PC Editionの可能性が広いことを,PCメーカーに示すことであった。Haikuは1~2ポンド(450~900グラム)の重さで,丸1日バッテリ駆動が可能であり,価格は500~1000ドル程度になると説明されていた。

 OrigamiはHaikuの後継となる製品だが,より謎に包まれている。Origamiについての情報は2006年2月中旬現在,「Origami Project」のWebサイトでしか公開されていない。このWebサイトでは,Origamiは非常に小型の製品になることや,タッチ・スクリーンを備えること程度しか明らかにされていない(なおタッチ・スクリーンは,Windows VistaのTablet PC Editionが標準で対応するデバイスである)。2006年2月末現在,このサイトには「do you know what I can do?」といった疑問文しか掲載されていない。

 いくつかのインターネット上のうわさサイトでは,OrigamiがMicrosoft版「xPod」や「iPodキラー」になると言われているが,それは違うのではないだろうか。Origamiが,Tablet PCプラットフォームがカバーする領域を広げるための製品であることは明らかだ。Microsoftは2年前に,9インチの液晶ディスプレイを搭載するTablet PC「Haiku」を公開している。OrigamiはHaikuの次期バージョンだろう。