ISPやキャリアなどで構成される迷惑メール対策のワーキング・グループ「Japan Email Anti-Abuse Group(JEAG)」は2月23日,迷惑メールの撲滅に有効な技術の導入方法や運用ポリシーなどをまとめた文書群を公表した(PDFファイル)。

 公表した文書は,(1)「送信ドメイン認証についてのJEAG recommendation」,(2)「Outbound Port25 Blocking についてのJEAG recommendation」,(3)「携帯電話あて迷惑メール対策についてのJEAG recommendation」---の3種類。いずれも,迷惑メール対策の導入を検討している事業者やメール・サーバーの管理者に向けた“リコメンデーション(提言書)”と位置づけている。

 (1)では,送信ドメイン認証技術である「SPF Classic」や「DKIM」を解説するとともに,その導入方法や運用方法を紹介している。(2)には,TCPポート25番を経由する外向きのトラフィックを制限する「Outbound Port 25 Blocking」(OP25B)の技術解説と導入・運用方法が記載されている。OP25Bの導入により,プロバイダのメール・サーバーを経由せずに送信される迷惑メールを阻止できる。

 (3)は,携帯電話あての迷惑メール対策をまとめたもの。携帯電話あての迷惑メールの現状を解説するとともに,携帯電話事業者やISPが施せる対策方法が具体的に説明されている。ISPの対策には(2)のOP25Bなどが含まれる。

 JEAGは2005年3月に設立された。設立当初から,「送信ドメイン認証技術の導入」「OP25Bの導入」「携帯電話あて迷惑メールの撲滅」---の3つを重要課題と認識し,それぞれサブ・ワーキンググループを設けて検討を重ねてきた。今回公開した“提言書”は,その結果をまとめたもの。今回の提言については,JEAGにオブザーバーとして参加している総務省や経済産業省も賛同しているという。

◎参考資料
送信ドメイン認証についてのJEAG recommendation(PDFファイル)
Outbound Port25 Blocking についてのJEAG recommendation(PDFファイル)
携帯電話宛て迷惑メール対策についてのJEAG recommendation(PDFファイル)
JEAG recommendation 発表についてのプレスリリース(PDFファイル)