東京証券取引所は2月21日、システムの緊急増強策を発表した。5月をメドに、売買システムの注文処理能力を1日900万件から1200万件に増やす。清算システムは、1日500万件という約定処理件数の上限を700万件まで拡張する。システム投資額は32億円。

 投資額の半分以上は「CPUやディスク装置、メモリーの増設といったハードウエアの増強費用」(西室泰三会長兼社長)。アプリケーションの大きな修整は発生しないという。

 5月の緊急増強に続き、年内には売買システムの処理能力を1日1200万件から1400万件に再度増やす。清算システムは、売買システムに合わせて増強する。さらに証券会社などに株価情報を提供する相場報道システムにおけるデータの流量制限を、1分あたり2万件から3万件まで拡大する。

 西室会長兼社長は、「利用者の視点に立って市場の運営を改善し、改善を重ねていくことで市場の信頼を確保していきたい」と述べた。