三菱UFJフィナンシャル・グループは、傘下の三菱東京UFJ銀行が2007年末に予定していたシステム完全統合の完了時期を、2008年末まで1年延期すると発表した。2月17日に金融庁に提出した「経営の健全化のための計画」で明らかにした。

 同計画では、延期の理由として、「システム障害を回避し、安全・確実な統合を実現するために万全にも万全を期す」ためとしている。1年延期に併せ、三菱UFJフィナンシャル・グループは2008年度の財務目標について、連結当期利益を約1兆1000億円から約1兆円に、1000億円下方修正した。

 当初は、2005年10月の銀行合併と同時に旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行のシステムを相互接続する「Day1」フェーズを終わらせ、旧東京三菱のシステムに一本化する「Day2」フェーズを2007年末に完了させるつもりだった。ところが、Day1フェーズで金融庁にテスト不足を指摘され、銀行合併とDay1の切り替えを2005年10月から2006年1月に3カ月延期した経緯がある。

 Day1のスケジュール見直しに加え、2005年秋の時点ですでにDay2のプロジェクトが3カ月ほど遅れていたことから、2005年11月にはDay2の切り替えを少なくとも半年は延期する方針だった。その後、Day1の切り替えのメドがついた2005年11月末から、Day2の開発規模の見積もりを本格化させたところ、「Day2の開発要件を必要最低限に減らしても、1年の延期が必要」(システム関係者)との結論に至ったとみられる。