米Microsoftはこのほど,2006年終盤の出荷を予定している「Windows Vista」の製品構成を明らかにした。ホーム・ユーザーには「Home Basic」と「Home Premium」という2種類のエディションを,企業ユーザーには「Business」と「Enterprise」という2種類のエディションを提供する。また,全エディションの機能を備えた「Ultimate」や,一部の国だけで販売する機能制限版の「Windows Starter 2007」もある。

 Microsoftが出荷を予定しているWindows Vistaの製品エディションは以下の通りである。

・「Windows Starter 2007」:Windows XP Starter Editionの後継製品。このエディションにVistaという名称が付かない理由は,Windows Vista製品系列で採用されるユーザー・インタフェース「Aero Glass」を搭載しないため,および32ビット版のみの提供となるためである。

・「Windows Vista Home Basic」「同Home Basic N」:パソコン1台だけという家庭ユーザー向けの軽機能版Windows Vista。Windows Vista Home BasicはWindows Vistaの基本となるエディションであり,ほかのエディションはすべてHome Basicをベースとする。Home Basic Nは欧州連合(EU)市場向けの製品で,「Windows Media Player」が搭載されない。

・「Windows Vista Home Premium」:家庭およびモバイル環境用の,家庭向けエンタテインメントと個人向けプロダクティビティ作業の全般をカバーするエディション。Home Basicの上位版であることから,Home Basicの全機能のほか「Media Center」および「Media Center Extender」機能を備え,ケーブル・テレビ規格「Cable Card」にも対応する

・「Windows Vista Business」「同Business N」:過去記事では「Windows Vista Professional Edition」としていた。Windows Vista Businessは,現在の「Windows XP Professional」と似た位置付けのエディションだ。企業の意思決定者,ITマネージャ/ゼネラリストを対象としている。Business Nは欧州連合(EU)市場向けで,Windows Media Playerを搭載しない。

・「Windows Vista Enterprise」:企業向けに最適化したエディションで,Windows Vista Professional Editionの上位版に相当する。「Virtual PC」や多言語ユーザー・インターフェース(MUI),「Cornerstone」という開発コード名で呼ばれていた「Secure Startup」,全ボリュームの暗号化機能など,独自の機能を搭載している。Windows XPでEnterpriseに対応する製品はない(訳注:なおマイクロソフトは,Windows Vista Enterpriseを『Windows OS Upgradeライセンスのソフトウエア・アシュアランスを購入したユーザー企業にのみ提供する』と述べている)。

・「Windows Vista Ultimate」:個人向けパソコン用OSとして最も豊富な機能を備えたOSとなる。Windows Vista Home PremiumおよびWindows Businessの上位版で,両エディションの全機能にほかの機能を追加している。

 Microsoftの正式発表には,「Windows Vista Small Business Edition」が見当たらない。これは,小規模企業向け機能が追加され,Vista Businessの上位版になるはずだったエディションだ。2005年9月の記事で言及したように,製品名はすべて代替可能で,とりあえずエディションを区別するために使っているに過ぎない。最終版の製品がリリースされる前には,変更される可能性がある。2006年2月の第3週に,こうした変更の内容が明らかになる。

 詳細については,筆者が2005年9月に特ダネとして「SuperSite for Windows」に掲載した記事(関連記事:英語)を読んでいただきたい。最終的な製品構成と筆者の過去記事との違いはわずかで,名称変更になったものが2つと,なくなったものが1つあるだけだった。既に明らかになった変更に合わせ,近々この記事を書き直す予定だ。