写真1 KDDIが実施したモバイルWiMAXの公開実験 市内をバスで移動しながら動画ストリーミング再生した。
写真1 KDDIが実施したモバイルWiMAXの公開実験 市内をバスで移動しながら動画ストリーミング再生した。
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写真2 KDDIの伊藤泰彦代表取締役執行役員副社長全社技術担当
写真2 KDDIの伊藤泰彦代表取締役執行役員副社長全社技術担当
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 KDDIは2月16日,大阪市中心部においてモバイルWiMAXの実証実験を公開した。同社は2005年6月にモバイルWiMAXの実証実験に成功したと発表していたが,実験内容を社外に公開したのは初めて。近日中にも総務省で2.5GHz帯の割り当て議論が始まるため,技術面での先行をアピールする狙いがあると見られる。

 公開実験では,走行するバスでの動画ストリーミング再生や,1xEV-DOシステムとシームレスに切り替わる様子などをデモンストレーションした。実験に使用した基地局や端末は韓国サムスン電子の製品。占有帯域幅10MHzで最大19Mビット/秒(下り)と7Mビット/秒(上り)の伝送速度が得られる。下りの平均的な伝送速度としては6Mビット/秒が見込めるとしている。

 動画ストリーミングの実験では,複数の動画を走行中のバスで同時再生していた。必要な伝送帯域は合計で約2Mビット/秒となるが,ほとんど乱れることはなかった(写真1)。ただし,ハンドオーバー時には若干映像が乱れた。

 1xEV-DOとのシームレス切り替え実験は,アプリケーションにパソコンのテレビ電話ソフトを利用。接続する無線方式を変更しても,映像と音声が途切れることなく通信できることを示した。

 なお,モバイルWiMAXの商用化については「免許をいただければ商用化するつもりだ。開始時期は免許の交付次第だが,おそらく数年はかかると考えている」(伊藤泰彦・代表取締役執行役員副社長全社技術担当,写真2)とコメントした。