CRM(顧客関係管理)ソフトを開発・販売しているスーパーオフィスは、3月10日からCRMソフトをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)形式で提供する。サービス名は「福朗.biz」。利用料金の安さが特徴で、携帯電話からのみアクセスする場合は1ユーザーあたり月額500円で使える。

 福朗.bizは、顧客管理やスケジュール管理、日報管理、文書管理などのサービスを提供する。訪問先の住所情報を基に移動経路や交通費を自動計算したり、訪問先の周辺地図を表示することもできる。「営業担当者の1日の行動に必要な機能を網羅できるようにした。SFA(営業支援)やグループウエアとしても活用できる」と、スーパーオフィスの木村俊昭社長は強調する。Webサイト上でアンケート調査を実施したり、福朗.bizに登録した訪問履歴情報などを分析できるオプション機能も別途提供する予定だ。

 同サービスで使うソフトは、同社が2001年4月から販売している大企業向けのCRMソフト「SuperOffice CRM5」を基に開発したもの。CRM5は国内3000社以上の導入実績がある。しかし、「1ユーザー当たり約10万円という導入価格がネックになり、中小企業ではあまり採用されていない」(木村社長)。中小企業向けに機能を絞り込み、ASPサービスとして提供することで価格を下げた。

 福朗.bizの利用料金は、携帯電話からのみ利用する場合は1ユーザーあたり月額500円、携帯電話とパソコンから利用する場合は月額2000円になる。ASPサービス向けに開発したソフト「スーパーオフィス福朗」もパッケージ・ソフトとして販売する。Windows版のみで、価格は1ユーザー当たり1万9800円となる。

 「まずはASPサービスで、中小企業にCRMやSFAを浸透させることが先決。将来的には、SuperOffice CRM5などパッケージ・ソフトの拡販にもつなげたい」(同)。2009年にはASPサービスとパッケージ・ソフトの両方で、年間売り上げ75億円を見込んでいる。