ADSL(非対称ディジタル加入者線)事業者、アッカ・ネットワークスの2005年12月期決算は、売上高405億8800万円(前年比5.0%増)の増収となった。営業利益は前年比4.6%減の27億3700万円だったものの、経常利益は25億4200万円(前年比1%増)で、業績予想をほぼ達成した。

 個人向けのADSLはFTTH(ファイバ・ツー・ザ・ホーム)の台頭により伸び悩み、第4四半期では純減に転じたが、通年では純増を維持。売上高は343億円だった(前年比3%増)。一方の法人向けは、売上高が56億円で前年比22%増。回線数は2005年末で4万1000に達した。

 ただし、「今後、個人向けのADSLが純減に転じることはやむを得ない」との判断から、2006年度の目標を326億円とした。この穴を埋めるべく、アッカは法人向け事業にさらに注力し、81億円の売上高を目指す。多店舗展開する流通業など大口顧客の獲得に注力するほか、光ファイバのエリア・カバー率を6割まで高める。また、中堅・中小企業に向けたソリューション提供も強化する。このために同日、システム・インテグレータやASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)といったパートナを支援する専任部隊として「アッカ・ソリューションズ」を全額出資で設立。パートナの拡大を狙う。

 アッカ・ソリューションズは、アッカが注力し始めたM2M(マシン・ツー・マシン)分野についても、構築・販売を手がける。M2Mは自動販売機やカメラ、センサーなどを結ぶネットワークで、駐車場監視、銀行のATM(現金自動預け払い機)監視などで導入実績がある。アッカは、2005年は約5000万円だった売上高を、2006年には13億円まで増やすとしている。