ACCESSと米PalmSourceは2月14日,スマートフォンやモバイル端末用向けのプラットフォーム「ACCESS Linux Platform(ALP)」を発表した。Palm OS for LinuxをベースにACCESSのWebブラウザNetFrontなどが組み込まれた「Palm OS for Linuxの進化形」(ACCESS)であり,ACCESSが2005年11月に買収を完了したPalmSourceとの,買収後の最初の共同開発製品となる。2006年末までにソフトウエア開発キット(SDK)の出荷を予定している。

 「Informaの調査によれば,モバイルLinux市場は2005年の3億5000万台から2010年までには28億1000万台と大幅に拡大する」(ACCESS)。ACCESSとPalmSourceは,ACCESS Linux Platformによりハードウエア・メーカーおよび通信事業者などを巻き込み「モバイル Linux のエコシステムを構築する」(同)と意気込む。

 「携帯電話市場セグメントにおけるLinuxベースのソリューションへの業界の需要が確実に成長していることを喜ばしく思う」(米Intel Applications Processor Business Unit for Handheld Platform Group General Manager Mark Casey氏)。「Linux用アプリケーションの拡充を期待する」(NTTドコモ プロダクト&サービス本部プロダクト部長 永田清人氏)。ACCESS Linux Platform発表に際してはIntel,韓国Samsung,NTTドコモ,米Wind River,米Texas Instruments,NECエレクトロニクス,米Freescale Semiconductor,標準化団体のLinux Phone Standards (LiPS) Forum,Open Source Development Labs (OSDL),米Motricity,スペインTelefonica Moviles Espanaが支持のコメントを寄せた。

 ACCESS Linux Platformの主要なコンポーネントは以下のとおり。Linuxカーネル。ACCESSのWebブラウザNetFront。PalmSourceのPIMやマルチメディア,HotSync,Palm Desktopなどのモバイル・アプリケーション。ユーザー・インタフェース・フレームワークMAX。オープンソースのGUIライブラリGIMP ToolKit(GTK+)。オープンソースのマルティメディア・ストリーミング・フレームワークGstreamer。オープンソースのBluetoothライブラリBlueZ。オープンソースのデータベース・エンジンのSQLite。コンポーネント・オブジェクト・フレームワークであるOpen Binder。

 多くのオープンソース・ソフトウエアを活用するだけでなく,PalmSourceとACCESSは,Binderドライバとそれに関連するフレームワークをオープンソース・コミュニティに提供してきた。またオープンソースのBluetoothライブラリBlueZも拡張している。