トレンドマイクロは2月10日、2005年度通期(2005年1~12月)の連結決算を発表した。ウイルス対策製品が企業、個人向けともに好調で、売上高は対前年比18%増の730億3000万円、営業利益は同6%増の275億7200万円の増収増益となった。地域別に見ると、特に日本と米国での売り上げが増加。日本では対前年度比16%増の294億1600万円、米国は同30%増の154億1700万円であった。

 同社は、2006年度第1四半期(2006年1~3月)では、売上高が対前年同期比13%増の195億円、営業利益が同7%増の78億円を見込んでいる。エバ・チェン社長兼CEO(最高経営責任者)は今年度に売上増加を期待している領域として、「従来からのパソコンに搭載するウイルス対策ソフトに加え、ネットワーク機器に搭載するウイルス対策ソフトとネットワークを監視するサービス」を挙げる。

 昨年11月から米シスコシステムズが提供するルーター製品やスイッチ製品にウイルス対策ソフトを提供開始した。ルーターやスイッチにウイルス対策ソフトを搭載することにより、ウイルスに感染したパソコンが企業ネットワークにつながれた時点で、ウイルスを検知できる。さらに、感染したパソコンを、ネットワーク機器が自動的に隔離する。

 また、大三川彰彦日本代表は、「今年は日本でも内部統制の需要が加速する。ネットワークのセキュリティは内部統制に欠かせない。ネットワーク機器用のウイルス対策ソフトは、提供開始して間がないため、まだ売り上げも1億円と小さいが、2006年度こそ本格的なスタートの年となる」という。