トレンドマイクロは2月10日,2006年のワールド・ワイドでの事業戦略を発表した。
まず,エバ・チェン代表取締役社長兼CEOが登壇(写真1)。「ユーザーは不正プログラムを恐れて公衆ワイヤレス・サービスを使おうとしないし,オンライン決済の利用も止め始めている。ネットワークは静かに壊滅状態となっている」と警告。「インターネットを信頼できるようにするため,ネットワークのインフラにセキュリティの機能を統合していく」と戦略を説明した。
チェン社長はこれを実現する具体策の一つとして,米シスコシステムズとの提携を上げた(写真2)。スイッチなどネットワーク機器自体にウイルス対策ソフトウエアなどを搭載。企業ネットワークの水際で感染や侵入を防ぐシステムに本腰を入れていくことを明らかにした。いわゆる検疫ネットワークや,自己防衛ネットワークと呼ばれる製品だ。
続いて大三川彰彦日本代表が国内市場での具体的な戦略を説明した(写真3)。
ウイルス対策ソフトの「ウイルスバスター」は,企業向けのクライアントやゲートウエイ製品,そして個人向け製品にスパイウエア対策機能の搭載を進めていくことを明らかにした。また,「企業ユーザーの管理負荷を低減させるソリューションを投入していく」(大三川代表)とした。
なお,米マイクロソフトがパソコン向けのウイルス対策市場に参入してきたことに対してはチェン社長が「マイクロソフトがソフトウエアを提供してくることは前から分かっていた。競合が1社増えただけと思っている」との見解を示した。