Infoblox-1000
Infoblox-1000
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 東京エレクトロンは2006年2月7日,IPアドレスの管理負荷を削減するための機器として,DNSサーバーとDHCPサーバーをアプライアンス化した装置「Infoblox」を出荷した。コンプライアンス(法令厳守)用のレポート出力も可能である。高さ1U大のラックマウント型で,性能に応じて3機種を用意した。価格は最小構成時に98万8000円(税別)。開発会社は米Infoblox。

 Infobloxは,独自OSと独自ソフトウエアを用いてDNSサーバー機能とDHCPサーバー機能を提供するアプライアンス装置である。従来,DNSとDHCPはUNIX機やLinux機,WindowsのActiveDirectoryなどが使われてきた。運用管理者の負荷がかかっていた。一方,InfobloxはDNSとDHCPの専用装置であり,GUIを用いた管理画面を備えるなど,従来よりも運用管理にかかる負荷を低減する。

 DNSは,ホスト(コンピュータ)名とIPアドレスの対応表を管理する仕組みである。一方のDHCPはホストにIPアドレスを動的に払い出す機能を指し,現在の企業ではIPアドレスとMACアドレスの対応表を管理する目的で使われる。Infobloxは,独自のデータベースを用いてDNSのデータとDHCPのデータを管理する。管理データはCSV(カンマ区切りテキスト)形式で出力できるため,管理台帳の作成などに有効である。また,不正なリクエストなどをレポートとして出力する機能を持つため,コンプライアンス用途の文書を作成できる。

 Infobloxにより,DNSとDHCPの設定が容易になるだけでなく,可用性も上がる。複数台のInfobloxをつないで縮退運転が可能であるほか,遠隔拠点に分散したInfoblox同士の間で互いにデータベースを共有し,同期させられる。これにより,ある拠点のInfobloxがシステム停止しても,復旧後に他の拠点のデータと同期することで元通りの状態に戻る仕組みだ。

 3機種の名称と性能は以下の通り。最下位機種のInfoblox-500は,1秒あたりDNS検索を1万リクエスト,DHCPの払い出しが50件可能。ミッドレンジ機種のInfoblox-1000は,それぞれ2万3000件のDNSリクエスト,70件のIPアドレスの払い出し。最上位機種のInfoblox-1200は3万件のDNSリクエスト,100件のIPアドレスの払い出しが可能である。