写真 総務省で開催された「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会(番号研究会)」の第6回会合
写真 総務省で開催された「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会(番号研究会)」の第6回会合
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 総務省は2月6日,「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会(番号研究会)」の第6回会合を開催した。今回の会合は昨年8月4日以来。その間に開催された4回分の同研究会ワーキンググループ(WG)会合での議論が報告された。

 今回は,(1)携帯電話と固定電話を融合させたFMC(fixed mobile comvergence)サービスに割り当てる電話番号,(2)IP電話からSkypeなどインターネット電話への転送サービス,(3)行政機関のコール・センター着信に3けたの「1XY」番号を適用,(4)3けた番号を使った営業活動の在り方,が報告された。

 FMCの電話番号は,新規かつ移動してどこでも使えるとして「060」を新たに割り当てる方針をWGが提出。研究会での異論はなく,ほぼ導入が固まった。このほか,既存サービスの電話番号である「090」や「080」,「070」,「050」はWGで継続協議となった。東京23区なら「03」の0AB~J番号も継続協議となったが,固定電話サービスの番号であることからFMCに導入することに懸念する声も上がった。

 転送サービスは,かけてきたユーザーに「インターネットに転送する」との旨を伝えるガイダンスを流す方針がWGから伝えられた。具体的には,IP電話の050番号にかかってきた通話をいったん終端する。ガイダンスを流して,Skypeなどのインターネット電話へと転送する。フュージョン・コミュニケーションズがこの方法でのサービス提供を予定している。

 3けたの「1XY」番号では,(3)と(4)の二つの議論が報告された。

 住民から行政への問い合わせ番号は,市町村と都道府県に2番号を割り当てる方針が報告された。1XYの3けたを回すことで管轄の行政機関につながるほか,市外局番をつけることで管轄外の機関にもかけられるオプションを用意する。番号の割り当てを提案した横浜市などでの導入が進みそうだ。

 一方,3けたの116番を使った営業活動は,総務省側がNTT東西地域会社の利用方法に注文を付けた。他の事業者との公平性を確保するため,例えば「116番をブロードバンドなど新規サービスの受付に利用しないこと」,「新規サービスは0120など着信課金番号で受け付けること」といった決まりを求める方針を明らかにした。8年前の番号研究会では「営業・料金案内に1XYの使用は必須ではないと考えられるが,利用者利便の確保から当面利用可能とすることが適当」といった内容を取り決めている。総務省の見直し要求には,こうした背景もある。

 番号研究会は2006年3月ころまで議論。その後,パブリック・コメントを経て,同年4月末から5月にかけて最終報告書が作成される見通し。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション