楽天は先ごろ,出版事業に参入し,その第一弾として月刊のサッカー関連情報誌「STAR soccer」(スターサッカー)を2月25日に創刊すると先ごろ発表した。690円の有料誌として販売する。同社はSTAR soccerを「ライフスタイルマガジン」と位置付けており,サッカーの競技情報だけでなく,サッカーを切り口に音楽やファッションなど様々な話題を誌面で取り上げる方針だ。

 ただし,楽天は単純に出版事業だけを手掛けるのではなく,自社の強みであるEC(電子商取引)ポータルサイトと連携したメディアミックス事業の一環と位置付けている。具体的には,自社のECポータルサイト「楽天市場」に仮想店舗を設置し,そこでSTAR soccerブランドの商品や掲載記事に関連する商品を販売していく。同ブランドではサッカー用品だけでなく,衣料品など多様な製品を取り扱う方針である。このように仮想店舗を通じた物品販売を収益源として育成する一方で,「出版事業単体でみた収支は赤字にさえならなければよい」(楽天の幹部)としている。

 このほかにも楽天は,自社のECポータルサイトの魅力を高めるための取り組みを進めている。例えば,2001年に有料誌として発行しながら休刊していた,楽天市場の仮想店舗の商品関連記事を掲載する「楽天マガジン」を,2005年12月に無料誌として復刊させた(詳細は日経ニューメディア2006年2月6日号に掲載)。