マイクロソフトは2006年2月3日,Windows Server 2003の更新版である「Windows Server 2003 R2」を発売した。Windows Server 2003 Service Pack 1に付属ソフトを追加したもので,今後販売するWindows Server 2003は「Datacenter Edition」を除いてすべてR2になる(Windows Server 2003 SP1の販売は2月中で終了する)。価格はこれまでと同じで,推定小売価格は「Standard Edition」が13万円(Open Business時),「Enterprise Edition」が44万9000円(同)。

 またマイクロソフトはWindows Server 2003 R2の発売と合わせて,「Virtual Server 2005 R2 Enterprise Edition」を2006年6月30日まで大幅に価格を引き下げて販売することを発表した。Virtual Server 2005 R2 Enterprise Editionは32プロセッサをサポートするエディションで,従来の推定小売価格は4万500円(同)。6月30日まで1万8600円(同)で販売する。

 なおWindows Server 2003 R2 Enterprise Editionでは仮想マシンに関連するライセンス体系が変更され,1本のサーバー・ライセンスだけで最大4つの仮想マシン用ゲストOS(インスタンス)を1台のマシン上で稼動できるようになった(従来は仮想マシンごとにOSライセンスが必要)。「Windows Server 2003 R2 Enterprise EditionとVirtual Server 2005 R2 Enteprise Editionとの組み合わせによって,非常に低コストで仮想化環境を構築できる。仮想マシン上で動作させるOSライセンスの扱いは,ホストOSと同等であり,ダウングレードして下位バージョンを動作させても構わない」(マイクロソフトのWindows Server製品グループ・マネージャである中川哲氏)という。

 Windows Server 2003 R2には,「支店サーバーの管理機能」「フォルダ単位のクォータ機能や拡張子ベースのファイル・フィルタリング機能」といった追加機能が提供される。一方,Enterprise Editionでは「Active Directoryフェデレーション・サービス」という,ファイアウオールの内外でActive Directory同士を連携させる機能が利用できる。

 またWindows Server 2003 R2から,「.NET Framework 2.0」が標準で搭載されるようになった。.NET Framework 1.1や1.0を使いたい場合は,別途インストールする。サーバー・ライセンスはWindows Server 2003とWindows Server 2003 R2とで別になる(R2が必要な場合はソフトウエア・アシュアランスを買っているか,別途R2のライセンスを購入する必要がある)。しかしクライアント・アクセス・ライセンス(CAL)はWindows Server 2003と同一であり,改めて買い直す必要はない。