独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)は2006年2月2日,最大伝送速度が10Gb/sと従来の10倍の速度を持つ光無線通信装置を開発し,屋外の1km区間での通信に成功したと発表した。光無線通信では大気のゆらぎなど,環境の影響から通信速度を上げにくい問題があったが,今回の実験により光ファイバーと同等の高速・大容量通信を実現するメドが立ったとしている。

 一般に,現在製品化されている光無線通信システムは0.8ミクロン帯のレーザー光を採用して,1Gb/s程度の最大伝送速度を実現している。これに対して,今回開発した装置は1.5ミクロン帯のレーザー光を使い,大気のゆらぎなどの影響を抑えた。NICTは今回の成果が,船舶や航空機など光ファイバーを引き込めない移動体の中で,多くの乗員に高速インターネットサービスを提供するために役立つとしている(2月2日発表)。