びぎねっと 宮原徹氏
びぎねっと 宮原徹氏
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ワイズノット 岩崎尊興氏
ワイズノット 岩崎尊興氏
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TYPO3ジャパン有限責任事業組合 増田剛氏
TYPO3ジャパン有限責任事業組合 増田剛氏
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ワイズノット 嵐保憲氏
ワイズノット 嵐保憲氏
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 リナックス ビジネス イニシアチブは2月2日,Net&Com 2006「LinuxビジネスのNewパラダイム」と題するセミナーを開催した。オープンソースのECサイト構築ツールosCommerceやCMSのTYPO3,オープンソースのビジネスや人材育成に関する講演が行われた。

 びぎねっと 代表取締役 宮原徹氏は「オープンソース的人材育成」をテーマに講演。「これまでオープンソースの導入はコストダウンに主眼が置かれており,コストを切り詰める中で人材育成も切り捨てられてきた」と指摘。同社の伊藤宏通氏が仮想マシン・モニタXenを利用しながら問題を修正,そのパッチがコミュニティに採用された例などを挙げ「一昔前では当たり前だった『自分で作る』選択肢を取り戻し,選択の自由を手に入れよう」と話した。

 ワイズノット 岩崎尊興氏はオープンソースのECサイト構築ツール「osCommerce」について講演。同社の子会社マーケットデザインが運営する記念日サイト4U AnniversaryをosCommerceで構築した事例を紹介した。PHPテンプレート・エンジン「Smarty」を利用し,ロジックとデザインを分離することで生産性を向上させたという。導入時の注意点として,複数の顧客が同時に注文すると在庫がないのに受注してしまう場合があることをあげた。この問題は排他制御機能を実装することで解決した。またバリデーション・チェックが完全でなく,データが入力されなくとも注文を受け付けてしまうことがあり,これも不足しているデータ・チェック処理を追加して解決したという。

 TYPO3ジャパン有限責任事業組合 増田剛氏はオープンソースのコンテンツ管理システムTYPO3(関連記事)を紹介。「代表的なオープンソースCMSであるXOOPS Cubeはデザインのカスタマイズに限界があるが,TYPO3は自由度が高く,CMSベースとは思えないデザインも実現できる」(増田氏)という。

 最後にワイズノット 代表取締役社長の嵐保憲氏が登壇。「オープンソースに特化」(嵐氏)しているという同社のビジネスなどに関して講演した。同社ではJAFCOや銀行系ベンチャ・キャピタルの投資を受け,1年前約50人だった社員を1年間で250人増やし,現在約310名となっている。社員の8割がエンジニアという。受託開発,技術者の教育,派遣などの事業を行っており,受託開発が売り上げの7割を占める。「下請けではなく,直接顧客から受注することにこだわっている。1億円クラスの案件も出てきており,マーケットがあることは断言できる」(嵐氏)。嵐氏は「技術者を育てて将来に備えている。オープンソースにコミットし,技術者に好きなことをやらせることで,人が集まってくる」と同社の人材戦略を語った。