2月3日まで東京ビッグサイトで開催している「NET&COM2006」で,ソフト・ベンダーのサイオ(東京都港区,安田知弘社長)は,主力製品であるJavaアプリケーション開発ソフトの新版「IdbA R2.0」を3月にも出荷開始することを明らかにした。NET&COM2006では,まだ新版を見ることができなかったが,2月14日に正式に発表するという。

 IdbAで開発したリッチクライアントを使うと,サーバー側のアプリケーションに手を加えることなく,既存の複数サーバーからデータを取り出し,1つの操作画面で一元的に操作できる。「楽天やYahoo!ショッピングといった複数のEC(電子商取引)モールに登録した出店企業の場合,複数モールの受発注情報を処理したり,複数のサイトに商品情報を登録したりするといった作業を一元化できるので,出店企業の作業が軽減できる」(吉政忠志 営業・マーケティング担当副社長)という。

 サイオは,開発環境に加え,楽天用やYahoo!ショッピング用など,各サーバーとデータをやり取りするためのコンポーネントを提供する。新版では,コンポーネント同士をドラッグ&ドロップで結ぶだけで,自動的にデータを連携させるプログラムが作成される機能を加えた。さらにEclipseやJBuilderといった開発ツールとの連携を強化し,リッチクライアントを開発しやすくした。

 サイオはIdbAを金融機関やECサイト,自治体向けに提供している。これを受けたECサイトなどは出店企業にIdbAで開発したリッチクライアントを有料サービスとして提供できる。また,銀行などは複数のインターネット口座を持つ預金者向けにリッチクライアントを配布できる。「IdbA単体でも販売するし,各企業向けのリッチクライアントを開発した上で提供することもある」(吉政副社長)という。

 価格は,開発込みで提供する場合は3000万~1億円程度。ECモールの場合だと初期費用500万円と,月額料金が1店舗当たり約2000円かかる。現在,サイオのパートナーには日立システムアンドサービスなどが名を連ねるが,さらなるパートナー獲得を目指している。