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 「技術の基礎を知らなければ、新しい技術を身につけるのに時間がかかる」。ITの総合展示会「NET&COM2006」の講演で、ソフトハウス、ヤザワの矢沢久雄社長は“基礎知識”の重要性を訴えた。同氏は、「プログラムはなぜ動くのか」などIT関連の著作を多数執筆していることもあり、今回の「今こそ欠かせないソフト/ハードの基礎知識」と題した講演は、立ち見が出る超満員となった。

 講演では、基礎知識をどうやって勉強するかについても言及。基本は「見方を変える」ことだ。「表面的なことではなく、何の役に立つ技術なのか、技術を使うことで何か楽しいことができるのか、といった視点で勉強する」という。1つの目的を実現するための技術が複数あると、そのすべてを勉強するのは面倒くさいとなりがち。だが、「それぞれの技術の長所と短所に注目すれば、それらの違いははっきりするし、なぜ複数あるのかも理解できる」と説明する。

 また、せっかく勉強したのに新しい技術が出てきて勉強するのが面倒くさいという場合も、「1つ前の技術にはどんな問題があるのか、どの問題を解決したのかに注目する」という勉強方法を勧める。だが、最近の新技術は幅が広すぎてどの分野かすらわからない場合もある。「説明員にわからない新しい技術を解説してもらうというのも、展示会の使い方」と展示会の来場者向けならではのアドバイスを送った。

 一方で、「よくある3文字略語」のように、基礎知識の勉強には必要ないものの見分け方を披露。そうした用語は、「製品もすでにあって、市場を作るために言葉だけ新しく作った技術の可能性がある」と指摘する。

 基礎知識ではない用語の見分け方は、検索サイトでその「3文字略語」と「コンソーシアム」「協議会」などとを組み合わせて検索するという方法だ。検索結果がたくさん出てきたら、「市場を作るために様々なベンダーが頑張っているということで、重要ではあるが基礎知識ではない」と断言した。