「日本版SOX法に対応するには,シンクライアントが有効な手立てだと考えている。なぜなら,シンクライアントだとログイン時に社員を確実に認証できるし,PCにハードディスクがないのでデータを不正に持ち出せなくもできる。これらは,日本版SOX法が求める内部統制が取れている証明になるからだ」。松下電工インフォメーションシステムズ ソリューション営業本部の田中雅弘営業部長は2月2日,NET&COM2006のセキュリティ・シアターで実施された講演で,このように語った。

 ただし,内部統制を目的にメタフレーム方式のシンクライアントを導入すると,画面の遷移が遅いなど,ユーザーの利便性を損なう場合があるという。そこで同社では,(1)PC起動時にOSなどの必要なシステムをネットワーク越しにダウンロードするネットブート方式,(2)必要最小限に機能を絞り込んだOS「Windows XP Embeded」をメモリーに組み込んだPCを利用するエンベデッド方式を用意している。いずれの方式も,クライアントPCのメモリー上で作業できるので,シンクライアント方式で発生する遅延は発生しない。また,ハードディスクもないのでデータが残ることもないという。

【2月13日付記】 記事中の「メタフレーム方式のシンクライアントを導入すると,画面の遷移が遅いなど,ユーザーの利便性を損なう場合があるという」部分に対し,松下電工インフォメーションシステムズから 以下のような申し出がありました。「『動画や音声などを快適に取り扱う場合には,メタフレーム方式のシンクライアントが適さない場合がありうる』という意味での発言で,あらゆる用途でメタフレーム方式のシンクライアントが適さない,という意味ではありません」。