日本IBMは2月1日、同社のオフコンである「IBM System i5」シリーズの新モデルを発表し、2月14日から出荷を開始する。これまで、「IBM eServer iSeries」として発売していた製品の名称を変更した。POWER5プロセサ搭載モデルに加え、最新のPOWER5+プロセサを搭載した製品を発売する。POWER5+は、POWER5に比べて約1.2倍の処理能力を持つ。

 日本IBMは、System i5の発売と併せて、i5用OSの新版「i5/OS V5R4」を出荷する。i5/OS V5R4では、UNIXやLinux、Windowsなどで動作する、いわゆるオープン・アプリケーションをSystem i5上で稼働させる機能を充実させた。例えばデータベースの標準規格であるSQL2003に対応。Java仮想マシン(JVM)についても、従来のi5/OS用の64ビット版JVMに加えて、LinuxやWindowsといった他のOSのJVMと技術的に親和性が高い32ビット版のJVMを実装した。また、IPネットワーク上でのSNAアプリケーションをサポートするなどを追加した。

 今回発表したSystem i5のなかで、POWER5+プロセサを搭載するのは、IBM System i5 520、550、570の3モデル。520は1.9GHzのPOWER5+プロセサを1個または2個、550は1.9GHzのPOWER5+を1~4個搭載が可能。570は2.2GHzのPOWER5+を2~16個搭載できる。ただし最上位機種の595だけは、1.9GHzのPOWER5が動作し、8~64個のプロセサが搭載可能だ。これについて、日本IBMは「595は最大で64個という大量のプロセサを搭載するので、発熱を抑えることを優先してPOWER5を採用した」と説明している。

 同時に日本IBMは、オープン系システムで一般的に使われる業務アプリケーションの利用を、Sisytem i5で広げていくための組織である「System i5 ソリューション研究会」を、2月1日に発足させた。異なる分野の業務アプリケーションを連携できるようにしたり、ベンダー間の提携を取り持ったりしていく。2月1日時点の会員企業は、NTTデータ イントラマート、アイテックス、システム・テクノロジー・アイ、住友電工情報システム、日本ダイナミックシステム、ネスコ、ワークスプロダクツの7社である。

 なお、IBM System i5 520の価格は税込みで408万6705円からになる。同じく550は2695万140円から、570は5487万6570円から、595は2億9497万9671円からになる。