代表取締役社長に就任したLarry Stefonic氏
代表取締役社長に就任したLarry Stefonic氏
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 オープンソースのRDBMS「MySQL」の開発元であるスウェーデンMySQL ABは100%出資の日本法人「MySQL株式会社 」を設立する。1月30日に手続きを完了したことが本誌の独自取材で明らかになった。MySQL ABの海外現地法人設置は,米国,フィンランド,ドイツに続いて4カ国目。日本法人設立の経緯と今後の活動展開について,代表取締役社長に就任したLarry Stefonic氏(MySQL ABの上級副社長を兼務,写真)に聞いた。(聞き手は菅井 光浩=日経システム構築)

---日本法人設立の経緯は
 日本は,企業向けデータベースの大きな市場の一つであり,ここ数年はMySQLへの関心も非常に高まっている。日本のユーザーによるMySQLのダウンロード数は,通算で100万件を突破した。日本法人を設立することで,不退転の決意で日本市場に深く関与していく。MySQLのコミュニティやパートナー企業に対し,地に足をつけた活動を開始する予定だ。

---コミュニティ活動にどう関与していくのか
 日本MySQLユーザ会(MyNA)とは,積極的にコミュニケーションをとっていく。具体的には,MyNAが定期的に開催しているミーティングに日本法人の技術者を参加させ,意見交換をしたいと考えている。ユーザ会のメンバーから,「ここが使いにくい」「こうした機能があると便利」といった声を直接吸い上げ,必要性の高いものから次バージョンに反映していきたい。

---パートナー戦略に変更はあるのか
 日本法人設立前は,プラチナレベルのパートナー企業として「住商情報システム」「NECシステムテクノロジー」「NTTコムウェア」と,ゴールドレベルとして「スマートスタイル」「野村総合研究所」「タイムインターメディア」「オープンソース・ジャパン」とパートナー契約を結んでいた。日本市場でビジネスを拡充していくには,パートナー企業との協業が不可欠。日本法人設立後もこれまでどおり,既存のパートナー企業と一体となってソリューションを提供していく。

---パートナー企業の拡充予定はあるか
 日本法人の設立を機に,香川県のSIベンダー「ダイナックス高松」と新たにパートナー契約を締結した。そのほかにも数社とパートナー契約を結ぶ方向で話を進めている。合意でき次第,発表する予定だ。

---MySQL 5.0に搭載した目玉機能は
 2005年10月にリリースした「バージョン5.0.15」には,ストアドプロシージャやトリガー,ビューといった新機能が搭載された。いずれも,MySQLユーザーから搭載が望まれていた機能であり,商用のRDBMSと比べても引けを取らないレベルに仕上がっている。これまで以上にエンタープライズの分野で利用されていくことになると確信している。