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 PHPで書かれたコンテンツ管理ソフト(CMS)といえば,まず名前が挙がるのが「XOOPS」というオープンソース・ソフトウエアだ。このXOOPSの強力なライバルが現れた。ドイツ生まれの「TYPO3」である。TYPO3ジャパン有限責任事業組合が,2006年2月1日から東京ビッグサイトで開催されているネットワーク総合展「NET&COM」で同ソフトをデモンストレーションしている。

 約1年ほど前からTYPO3を追いかけ,同事業組合にも参加している増田剛氏は「XOOPSで作ったサイトはデザインを見るとXOOPSで作ったことがわかってしまう。これに対し,TYPO3は自由度が高いので,CMSを使っているとは思えないような高機能なサイトを実現できる」と語る。半面,デザイン・テンプレートを作成できるようになるには,かなりのスキルが必要だという。

 コンテンツはオープンソースのデータベース管理ソフトであるMySQLで管理する。TYPO3を構成するプログラムは,データベース・アクセス部分も含めすべてPHPを使って自前で実装されている。PEAR(PHP Extension and Application Repository)などに登録されている外部のライブラリは使用していないという。1300個以上もの機能拡張モジュールが用意されているのも特徴。日本語化のモジュールも用意されており,管理画面などの表示を簡単に日本語化できる。

 ドイツを中心に開発されている利点は,周辺サポートに表れている。増田氏は「米国で作られたソフトはドキュメントがおざなりなことが多い。TYPO3は(きまじめな)ドイツ人が作っているためか,英語のドキュメントやチュートリアルが充実している。操作を解説する動画のチュートリアルもある」と語る。

 TYPO3ジャパン有限責任事業組合は,日本でのTYPO3導入・運用を支援するために2005年末に設立された。導入時のコンサルティングやテンプレートの制作支援などを行う。TYPO3は日本での知名度がまだほとんどないので,まずはTYPO3を解説する書籍の出版やセミナーなどで知名度を上げていく予定だ。ドキュメントやチュートリアルも日本語化していきたいという。