サードウェアの久保元治代表取締役(左)と黒木博技術部部長(右)
サードウェアの久保元治代表取締役(左)と黒木博技術部部長(右)
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 サードウェアは2006年2月1日,メール・サーバー用のスパム・フィルタの新製品「Z-Linuxメールフィルタ・バージョン2」を発表した。従来のバージョン1はスパム判定精度が94~95%程度だったのに対し,新製品は精度を99.7%にまで高めたのが特徴。3月1日に出荷を開始する。

 Z-Linuxメールフィルタは,オープンソースのスパム検出エンジンであるSpamAssassinを採用している。ところがSpamAssassinは日本語を日本語として認識できず,これが従来版のスパム判別精度に影響していた。そこで,サードウェアは独自にSpamAssassinを日本語対応にし,単語レベルで日本語を判別できるようにした。これにより,スパム判別精度が大幅に向上したという。

 日本語化は,すでにある国際化(I18N)パッチ(SpamAssassin本体にはまだ取り入れられていない)をベースに行った。日本語の単語の区切り判定にはオープンソースの形態素解析ソフトであるMeCabを利用している。

 SpamAssassinのライセンスはApache Licenseなので,サードウェアには日本語化したものを公開する義務はない。ただ,同社は成果を開発コミュニティにフィードバックしたいという。同社の久保元治代表取締役(写真左)は「コミュニティには(サードウェアが行った日本語化が)効果があるところまでは認めてもらえた。ただ,(日本語化により)従来の判定ルールとの互換性がなくなってしまう可能性があり,互換性をどう保つかを検討しているところ」と語る。

 Z-Linuxメールフィルタ・バージョン2の価格は10万5000円(税込み)。初年度は1万500円(25ユーザーまで)から252万円(5000ユーザーまで)の保守料が必須。2年目以降の保守料は,初年度の半額になる。別途,Z-Linux Baseパッケージ(3万1500円,税込み)やZ-Linux専用フラッシュディスクオプション(10万800円,税込み)が必要。