総務省は1月26日,「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会(番号研究会)」の第7回ワーキンググループ(WG)会合を開催した。今回は,110番や119番などいわゆる「1XY」番号の今後の割り当て方針と,固定と携帯の融合サービスFMC(fixed mobile convergence)の電話番号を主として取り上げた。

 議論が大きく展開したのは,「1XY」番号の位置付け。1XY番号は,新たに行政機関への問い合わせ番号として導入することでワーキンググループの方針が固まった。利用者が1XYの3ケタ番号を入力するだけで,市町村の役所につながるようになる。また,都道府県の役所への導入も想定する見通し。

 現在,NTTの加入電話から「116」にかけると,東西NTTのサービス受付窓口につながる。ここで固定電話だけでなく,FTTH(fiber to the home)のBフレッツやADSL(asymmetric digital subscriber line)のフレッツ・ADSLの導入相談や申し込みが可能である。一方でNTT以外の通信事業者がサービスを受け付ける場合は,「116」ではつながらない。例えば日本テレコムの「おとくライン」の申し込み受付のために,「0088-XXX-XXX」や「0120-XXX-XXX」といった番号を使っている。サービスの申し込みに必要な電話番号の体系が大きく異なるため,日本テレコムは昨年から「企業努力によるサービス内容以外の競争条件は公平にするべきだ」と同ワーキンググループで主張していた。

 この問題について総務省は,今回の会合で大きく二つの見解を示した。一つは「1XYの番号を新規サービスの受付番号として広告しないこと」(総合通信基盤局事業政策課)。二つめは「新規サービスの受け付け対応を別にすること」(同)とした。番号だけでなく,対応業務に当たるスタッフも別に用意するべきとの方針を示した。この方針が適用されると「局番なしの116」で,ほぼすべてのサービスを受け付けている東西NTTの営業体制に大きな影響が出そうだ。

 一方で,携帯電話と固定電話の両方で電話番号を共有する,いわゆるFMC向けの電話番号として「060」を割り当てるとの方針が確認された。「060」は現在一部のサービスで利用されているが,ほとんど使われていない。ただし,携帯電話の「090」や固定電話の「03」など既存番号のFMCでの利用については継続的に審議する。

 番号研究会は2月6日にワーキンググループの上位にあたる研究会会合を開催。これらワーキンググループでの議論結果を報告する。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション