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 NECネッツエスアイは、2006年秋をメドに電力線通信(PLC)を使った企業ネット構築サービスに乗り出す。PLCは既設の電源配線を使い、100メガビット/秒級という高速通信を実現できる技術。国内での実現に向けて、電波法関連省令の規制緩和が検討されており、早ければ今秋にも利用が解禁される見通し。PLCは主に、配線を張り替えにくい既設マンションや家庭内の利用が見込まれている。NECネッツは「使い分けにより、企業向けでも潜在的なニーズはある」と新事業のチャンスとみている。

 多くのオフィスビルでは、執務スペースにLAN配線が行き渡っているが、社内電話をIP電話化する際などに受付や一部会議室などLAN配線を延長しにくい場合がある。工場などLAN配線が難しい場合もある。こうしたケースなど、有線LANを補完する手段としてNECネッツはPLCを用意する考え。既に企業ネット向けにはデータ通信に加え、テレビ会議などの映像とIP電話(音声)を一体で提供するソリューション提供を強化している。この3種類のアプリケーションと、有線や無線のLAN、さらにPLCの3種類の伝送メディアを用意することで「トリプルプレイ×トリプルワイヤリング(3×3)」をキーワードに、IP電話商談を活性化させたいという。

 PLC技術の開発は、NECネッツの完全子会社である東洋ネットワークシステムズが受け持っている。1月23日には同社が香港の通信事業者であるパワーコムネットワークに対し、最大200メガビット/秒のPLCシステムの納入を始めた。これは主にマンション向けブロードバンド・サービスに利用されており、初期ロットとして1万5000台、最終的には6万台のPLCモデムを納入する計画。標準化の動向をにらみながら、規制緩和後には日本でもいち早く、製品を市場に投入する(写真は海外向けのPLCモデムと、モデムを使ったIP電話システムのデモ)。

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