東京証券取引所の西室泰三社長兼会長は1月24日の記者会見で、できるだけ早い時期にシステム処理能力を増強すると同時に、システム投資を大幅に増やす方針を明らかにした。
東証は1月22日に約定処理をこなす清算システムを増強、1日に処理できる約定件数を450万件から500万件に増やした。西室社長兼会長は、「新システムは拡張性がある。できるだけ早い時期に700万~800万件くらいまでに増やしていきたい。ただし、現在検討中なのでスケジュールは確定していない」と話す。また、売買システムが1日当たりに受け付けられる注文数は現在900万件だが、こちらについても「900万件では不十分だ。早急に容量を増やす準備を始めている」(西室社長兼会長)という。こちらについても、時期の明言は避けた。
中期経営計画で決めていたシステム投資も大幅に増額する。東証は3年間(2007年度まで)で234億円を投資する予定だったが、現在実施している2008年度までの中期経営計画の見直しでは、「現在試算したところ、500億円は下らないだろう。経営陣の方針として、必要な設備投資を必ず行うという決心をしている」(西室社長兼会長)と話す。
みずほ証券の誤発注に端を発した損失の負担について西室社長兼会長は、「みずほ証券からの連絡を受けていない。これからどういう話になるかについては全く予測できない。3月の決算までにははっきりさせておいた方がいいと思うが、現時点で申し上げることはない」という。
また、東証自身の上場計画についても計画を棚上げにする方針を明らかにした。西室社長兼会長は「上場のプライオリティは、システム増強などのほかの項目に比べれば下げざるを得ない。したがって、2008年までにといった日にちを区切っての上場計画は当面棚上げにする」と語った。
会見ではライブドア株式の取り扱いについても言及した。ライブドア株式は大量の売買が行われる可能性が高く、市場の混乱を回避する必要があることから、取り引き時間を、25日以降は午後1時半~3時に制限する。ライブドア株式は、株式分割を繰り返したため、上場単位数で東証の全上場銘柄の約45%を占めるまでになっていた。