SenSage Enterprise Security Analytics
SenSage Enterprise Security Analytics
[画像のクリックで拡大表示]

 東京エレクトロンは2006年1月23日,情報システムが出力する各種のログを蓄積してログの検索とレポート文書の出力を実施するログ保存・分析ソフト「SenSage Enterprise Security Analytics」の販売を開始した。早ければ2008年3月期決算から適用される日本版SOX法(企業改革法)に伴う文書化・文書管理の企業ニーズを取り込む。価格はデータ容量10Gバイト程度までの最小構成で1062万円(税別)から。開発会社は米SenSage,稼働OSはRedHat Linux。

 SenSage Enterprise Security Analyticsは,テラ・バイト級のデータを高速に扱うことに着眼した,ログの長期保存に特化した専用ソフトである。RDBMS同様にSQL言語をインタフェースに用いた検索が可能である。ログ・データの保存形式は独自で,圧縮機能によりオリジナルのログのおよそ10分の1の容量で保存する。同ソフトを導入したサーバー機をクラスタ構成で利用することにより,性能の向上も可能である。ディスクを搭載したサーバー機を互いに接続する方法のほか,外部ストレージの利用も可能。米EMCが開発したアーカイブ専用ストレージ「Centera」のファイル・システムも利用できる。

 監視対象となるログは,あらかじめ180種を超えるサーバー製品やネットワーク機器を解釈するように設定済み。一方,ログに含まれる文字列の出現条件などをユーザーみずからが定義すれば,どのようなログであっても分析が可能だ。ログの傾向を分析して文書を出力するための定義情報集は,SOX法対応など,150種を超えるレポート・テンプレートとして別途有償で用意した。

 テンプレートをユーザーみずから設計できるよう,GUI設計ソフトも提供する。文書の出力形式やレイアウトなどを定義し,必要なデータを抽出するための検索条件をSQL文で設定することで作成する。SenSage Enterprise Security Analyticsを再販するSIベンダー各社が,導入・運用コンサルティングの一環で,ユーザー企業の需要に合わせたテンプレートを開発する。

 東京エレクトロンでは,日本版SOX法による文書化の需要により,ログ保存・分析ソフトの市場が成長すると見ている。販売目標は以下の通り。2005年度は1億円(3社),2006年度は5億円(5社),2007年度は10億円(8社),2008年度は15億円(10社),2009年度は30億円(12社)。ユーザー数が増えるだけでなく,既存ユーザーが扱うログの量が増加することによってシステムを拡張するというシナリオだ。